スローガン




理事長所信

一般社団法人 京丹後青年会議所
2020年度理事長 中山 良

『55年目の京丹後青年会議所の運動を展開するにあたり』

 人は人のために行動を起こす。家族のため、社員のため、地域に住まう人のため、様々な人の縁に恵まれている。もしかしたら、両親から生まれてこなければ、この地に生まれていなかったら、会社に入ってくれていなければ、そんなことを考えればきりがないけれども、今の生活を構成する大きな理由になる。
 時代は、第4次産業革命を迎え大きく社会が変化している。情報化社会と言われて久しいが、それに伴う弊害として、覇権を争う国家間の戦略に様々なものが巻き込まれている。また、個人の生活を脅かすほどプライバシーを守ることが困難になりつつある。各国が持続可能な社会を構築するために、様々な課題解決を行うべく情報を活用した技術が便利な生活をもたらすが、裏腹にその個人の尊厳を奪う危険性をはらんでいる。
 そんな複雑な時代を突き進むメンバーは、京丹後が多様性を受け入れ持続可能な地域として永続していくためにリーダーシップを持って躍動し、どんな困難にも挑んでいく必要がある。いざ、行こう令和という新しい時代へ。


『人が組織を構成し、強い組織と仕組みを生み出す』

 青年会議所の優れたところは、志ある青年が集い、議論して作り上げてきた事業がその時々の市民へ効果を生み出してきたことにある。しかし、価値観や経済環境が多様化する中で当たり前のように思われてきた会議手法についても変革を問われている。技術の発展でどこにいても参加できる会議や、紙を使わずに行う会議など世の中で一般化されている中で、青年会議所としても使える技術を最大限駆使し効率的な会議の在り方を自分たちで考えていく必要がある。守らなくてはいけない伝統と変えていく革新が求められている。また、周辺環境の変化の中でもう一つ考えておかないといけないのが、災害対策である。気温は上昇し熱帯化する日本の気候は台風や大雨によって各地に甚大な被害をもたらす。丹後地方も近年、災害による被害は記憶に新しいところで市民生活の脅威となっている。そして、いつ起こるかわからない大地震にも備えておく必要がある。過去に学ぶことの大切さも踏まえ、災害に対しては様々な事業を行ってきたが、いざ起こった際に避難先になる場所はどんなところであるのか、設備は本当に整っているのか、市民目線でどれだけ整備できているのか、今一度考えて備える必要がある。


『人が人を育て、新たな人財を生み出す』

 単年度でトップが変わり、組織の体制が大きく変わるというのが青年会議所の特徴である。その中で時間を共有し、価値観をぶつけ合うことで、より論理的な思考や答弁が出来るようになる。実社会においてそのスキルは本当に役に立つと感じるし、そのスキルが青年会議所活動を通じて身に付けられるのだから、なんと便利な組織なのだろう。そういったことは関わった人でしかわからないというのが残念なところである。それよりも厄介なのが、イメージが先行してしまい敷居が高いと思われてしまっていることである。これではメンバーが増えることは難しい。せっかく人が成長することを支援するのだから、どんな団体なのかをしっかり伝え会員の拡大を図ろう。数は力である。優秀な人材がまとまった組織であれば、アイデアもその分、多くなるし、社会へのインパクトも生み出せる。仲間を増やそう。そして、様々な意見を聞いて、協力を求めよう。一人ではできないことも協力を仰げば困難なことも達成に近づいていくはずだ。青年経済人が集まれば、それだけで経済が動く起点となり得る。そこに課題を抽出し、解決に導いた時に大きなうねりとなって変化を呼び起こすことになる。先行き不透明と言って甘んじている場合ではない。メンバーが変えていくのだ。1年で結果を求めるのは厳しいことかもしれない。しかし、スケジュール感の中に計画を描くことで成果を見出してほしい。たくさんのパートナーと全力で取り組めば、人は集い惹きつける形となって表れる。その経験が人を強くする。


『人の縁が機会という新たな可能性を生み出す』

 学生のころ、進学や進級で環境が変わると、ワクワクした気持ちと不安が伴った気持ちを味わったことがあることだろう。その先には体験したことの無い未来があって、すべてが新しい経験であったに違いない。しかし、大人になると段々と刺激に対して億劫になることがある。そして、日常を繰り返すことが当たり前になってくる。それは様々な責任を背負って人生を送る上で、必然かもしれない。ただ、それが果たして自分の将来の可能性に対して全力で挑戦していると言えるのだろうか。いや、そうではない。青年会議所の4つの機会は自分自身の可能性を広げてくれる。まだ見ぬ自分のスキルとモチベーション、気付かなかった地域のポテンシャル、共通のプラットフォームで世界や全国各地のメンバーとの接点、そして新しいビジネスの可能性が待っている。育ってきた環境や異なった価値観に触れることができる。そして、そこで自分の普段の生活や行っている活動との違いを感じる。それは非常に重要なことで、凝り固まりつつある考えが、変わるキッカケになるはずだ。飛びこもう。そして、さらに彼方へ。


『人のつながりが歴史を紡ぎ、新時代を切り拓く』

 54年にもわたり、リーダーがそれぞれのポジションで時代の背景を読み取り、たくさんの事業を生み出し、社会の礎の一端を担ってきた。その歴史の上でメンバーは活動し、運動を展開している。その流れを汲むことと、これからの時代を先読みして私たちは行動していかなくてはならない。だが、こうでなくてはならないという固定概念は必要ない。これからの時代を思い、社会がどのように動いていくのかを考え、青年会議所が世のため、これからを生きる人のためにできることをしよう。ただ、これから何十年という先の未来は誰にも予測不可能な状況にある。活力ある京丹後を創造すべく、55年目の節目を皮切りにしっかりと5年先を見据えてどうあるべきなのか、何をするべきなのかその指針を示していこう。また、それは青年会議所内で共有する事項に留まらず、市民にも共有する事項である。我々は青年会議所会員である前に京丹後市民である。まちに何が求められているのか、何が足りないのか、どうすれば変わるのか、維持するべきものは何なのか、一つ一つ丁寧に見極めよう。市民感覚を失わず、感受性を高め、目線を合わせて活動し、運動を展開していこう。


『人とモノとカネを最大限に活かす』

 青年経済人の集まりであるはずの青年会議所において、本来なら持続可能な経済活動を実施するという観点では、それぞれが人・モノ・カネを活かすプロでなければならない。しかし、予算というものを前にした時、必ずしもそれぞれの備えている能力を最大限活かせているかは測ることができない。そして、財務においてそもそもこれから学んでいく必要があるメンバーもいることも事実である。そして、組織を守るためには法令遵守を踏まえたルールに則した運営を行うことが必要である。その一端を事務局が担うことで、円滑な組織運営につなげる。そして財務や規則においてメンバーに意識させることで、それぞれが営む仕事に活かす仕組みにしていく。


 はじめは誰もわからないことはあるし、できないこともたくさんある。ただ、平等に与えられた機会という名の未開の地へ勇気を持って、一歩を踏み込んで自発的に取り組むのか、一歩を踏み出せずに諦め、逃げてしまうのか。結果は雲泥の差になることだろう。すべてに取り組む必要は無い。これだと思うことに取り組もう。これからの大きな変化とものすごく早いスピードで進む時代を、楽しむためにも今を全力で挑戦し、自分を高めていこう。そして仲間と過ごす時間を有意義なものにしよう。そのために青年会議所はあるし、それが明るい豊かな社会を創ると信じている。

朱に交われば赤くなる

よい刺激を受けてみんなでより良くなろう。